森ガール森由美子の日記

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ローリングピンとキツネさん

マーシャのコーデは、いつもの紫色のサラファンに紫色のプラトークです。
彼女の人形たちに、古いロシアの民話をアレンジしてお話します。


マーシャのおとぎ話(22)ローリングピンとキツネさん

Машины сказки - Лисичка со скалочкой (Серия 22)


ある時、一匹のキツネさん※1が道を走っていました。彼女は灰色ウサギを追い掛けることに夢中になって、何かにつまずき、倒れました。そこで道のほこりの中に、ローリングピン※2があるのを見ました。彼女はそれを取り上げ、しばらく考えて、ローリングピンを持ち、近くの村に小走りに急ぎました。


      


そこには一つの家にネコとニワトリが一緒に暮らしていました。ネコは縄跳びで遊び、ニワトリは窓で歌っていました。キツネはニワトリの歌を聞いて窓に走り寄り、ニワトリに褒め言葉を言いました。あなたの声は蜂蜜のように甘く、才能たるや素晴らしいものです。ニワトリは茶色の女詐欺師の言う事を聞いて、すっかり腑抜けてしまいました。


しかし、ネコはくるめられませんでした。彼は跳び縄を置き、ニワトリを横に押し、キツネを追い払おうとしました。キツネはもちろん、直ぐにずるを働き始めました。彼女は彼らに、自分を泊めてくれるように頼みました。彼女はホストたちを煩わせず、自分自身はベンチで寝て、尻尾はベンチの下に置き、そしてローリングピンはペチカに置くと約束しました。そのような条件で、彼女は泊まることができました。


誰もが眠りにつくと、キツネはローリングピンを別の場所に隠しました。朝が来ると、彼女は盗まれた!と大声を上げました。キツネはローリングピンの代わりにニワトリをよこすように言い始めました。ネコはこれに同意しませんでしたが、キツネに彼の跳び縄を渡しました。


そしてまた出来事は夕方近くです。再びキツネは宿泊を頼みます。自分自身はベンチで寝て、尻尾はベンチの下に置き、そして跳び縄はペチカに置くと約束しました。夜になって、キツネは再び起き上がって、跳び縄を隠し、朝に再び大声で泣き始めました。仕方なく、ネコは彼女にニワトリを与えることを約束しました。そして彼はお互いにさよならする準備をしようと言いました。


キツネが帰って来て、見ると、家の窓にかなり大きな袋が横たわっています。そしてその中で何かが動いています。キツネは袋をつかみ、肩にかついで、急いで走り去りました。かなり遠くに逃げたので、彼女は背中から袋を降ろしました。そしてキツネはもう昼食で、ニワトリを食べたいなと思いました。しかし袋の中はローリングピンを持ったネコでした。さーたいへん、キツネは一目散に逃げるしかありませんでした。



註※1キツネさん:表題 Лисичка はキツネЛиса の指小、愛称です。「小さなキツネちゃん」位の意味です。露和辞典、グーグルにもありません。むこうの露露辞典で、やっと出て来ます。ここでは「キツネさん」にしました。
註※2ローリングピン:麺棒。麺類やパン、焼菓子類、餃子などの生地を均一に薄くのばすのに用いられる、木製の細長い棒で作られた調理器具。



後記:前回は正直者エメーリャのお話でしたが、今回は狡猾なキツネのお話です。さすがに転んでも何かを掴んでくる所は憎いですね。普通なら見向きもされない、捨てられたローリングピンで、なにか得られると思ったのでしょうか・・日本でも浪速商人は「転んでもタダでは起きない」とかあります。この狡猾なキツネさん、涙を武器にして、泣き落としも演じてます。また、相手にお世辞を言ったりするところなんか、したたかですね。しかし、いままでの狡猾なキツネが主人公のロシアの民話は、たいていキツネは悲惨な結末で終っています。正直者は栄え、狡猾者は滅びるという勧善懲悪ですね。封建社会、全体主義ないし共産主義社会の産物でしょうか。支配者にとっては、正直者は都合がいい訳で、策略をめぐらす狡猾者はいやな存在でしょうね。
マーシャのおとぎ話はこのあたりは原典に批判的です。正直者エメーリャが王女と結婚し、国王になる原典のストーリーには背を向けています。また狡猾なキツネを、決して悲惨な結末に終らせていません。



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