森ガール森由美子の日記

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タールの子牛

マーシャのコーデは、水玉ドット赤色サラファンにプラトークです。
彼女の人形たちに、新しくアレンジしたお話を語ります。


マーシャのおとぎ話(12)タールの子牛

Машины сказки - Бычок-смоляной бочок (Серия 12)


ある村にお爺さんとお婆さんが住んでいました。彼らには孫がいませんでした。彼らは一日中ベンチに座り、ヒマワリの種を弾いています。そして老人たちは何らかの動物を家で飼うことにしました。即、有言実行です。お爺さんは木の樽、藁の束、尾にする紐をとり、細い足の、小さな牛を作りました。子牛は見事に出来上がりましたが、真っ白で、片方の脇は黒いタール※1でした。


   

お婆さんは喜んで、子牛を牧養のために草原に連れて行きました。子牛はぽつん立っています。静かに!クマが彼に向かってます!クマは挨拶しましたが、子牛は黙っています。クマはもう一度に彼に挨拶しますが、タールの子牛はずーっとその場所に立っています。クマは怒って、子牛を前足で叩きました。ところが爪がタールに絡まって、抜けません。クマはもう一つの足で抜こうとしましたが、くっ付いてしまいました。


ここに、お爺さんがやってきます。彼はクマを見て、喜びました。この冬用にお婆さんへの高級なコートが手に入るのです! クマは悲し涙で泣き始め、農夫に彼を自由にするように頼みます。お爺さんは頭を掻いて考えましたが、クマが自由になるのを助けました。クマは踵をひらめかして、森に逃げ去りました。


その後、クマはお爺さんとお婆さんに一樽の最高級の菩提樹蜂蜜※1を持ってきました:「食べください、私はいいです」と。


老夫婦が蜂蜜を賞味していると、オオカミがタールの子牛にくっ付いてしまいました。続いてキツネもです。お爺さんは全ての動物を解放しましたが、それは無駄ではありません。灰色オオカミは羊の群れを彼に手向け、キツネは鶏1ダース遣しました。灰色ウサギさえもタールの呪縛から逃げられませんでした。彼は解放のお礼に老夫婦に袋いっぱいの甘い人参を引きずって来ました。お爺さんとお婆さんの喜び様と言ったらありません。彼らの農園全てが、うまくいっているのです!



註※1タール:木材などを乾留して製する、黒いねばねばした液体。防腐剤・塗料にする。ロシアの農家では自家製造していた。
註※2:贈物をするとき、好物を贈ると真心が伝わりますね。クマは蜂蜜、オオカミは羊、キツネは鶏、ウサギは人参。クマが大好物の蜂蜜を贈る時に「食べて下さい、私は要りませんから」と言うところは、臨場感がありますね。


後記:このおとぎ話は子供たちがケラケラ笑いながら聞くお話しでしょうから、面白おかしく聞ける内容で、コメディ風になっています。助けた動物が人間に恩返しをするお話は、前回のお話のほか、ロシアにはたくさんあります。英語圏ではあまり聞きません・・日本にも浦島太郎とか、鶴の恩返し、因幡の白兎、芥川龍之介の蜘蛛の糸などがありますね。日本のお話はいじめられていて「かわいそうだから」助けてあげるケースが多いのですが、ロシアの場合は、自分の生活や利益のため殺してしまうのが当たり前の場合で、それを放棄してまでも「かわいそうだから」逃がしてあげる訳です。そこにあるのは、いわゆる自己犠牲の精神です。まー昔は美徳だったのでしょうが・・こんなことをしていたら肉も魚もたべられません。このシリーズの作者もこのあたりは批判的になっています。



動物の恩返しでロシアで有名なお話は何と言っても По щучьему велению「シューカ(カマス)の命により」です。旧ソビエト連邦で記念切手になっているほどです。裕福でない農夫の三男坊がシューカ(カマス類の魚)を捕らえましたが、逃がしてやります。魚は恩返しに、彼に「シューカの命により」と唱える魔法を授けます。彼は魔法の呪文でペチカ(暖炉)を空に飛ばし、王女を喜ばせ、最後には彼女と結婚します。以下はイワン・イワノフ・ヴァーノ監督による、1957年アニメーション映画「 По щучьему велению「シューカ(カマス)の命により」です。



В некотором царстве (Сказка По щучьему велению) | Советские мультфильмы для детей и взрослых



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