森ガール森由美子の日記

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チェブラーシカ学校へ行く

チェブラーシカとワニのゲーナ(4)「チェブラーシカ学校へ行く」
原題:Чебурашка идёт в школу、Cheburashka Goes to School、1983年


ワニのゲーナから電報を受け取ったものの、字が読めなかったチェブラーシカ。
ゲーナにすすめられ、小学校へ行くことになる。



Чебурашка идет в школу


8月31日、ワニのゲーナは飛行機で出張から帰りますが、期待に反して空港には、チェブラーシカは彼の出迎えに来ていませんでした。ゲーナは一人で自宅に帰りますが、シャパクリャクばあさんは、道すがら、エレベーター、そしてアパートのドアに「修理中」と書いたボードを貼って彼をからかいます。


彼の空港到着についての電報を受け取ったチェブラーシカは、それを読むことができなかったことが分かりました。しかしゲーナはチェブラーシカに、とても幸運だと言いました。なぜなら、明日はちょうど新学年の始まり-9月1日だからです。そして喜んで、学校で学ぶため、彼を送り出すのです。チェブラーシカもこれに大賛成です。


彼らは学校の制服を買うために出掛けます。最初、ゲーナに合うサイズはないと言われ、ゲーナは若干頭に来て説明しますが(動画サムネイル)、結局チェブラーシカに合うものはありませんでした。またシャパクリャクも学校の制服を買って、新しい人生を始めようとします。彼女も同じような事を言われますが※、強引に売らせました。


しかし学校は修理のため閉鎖されていました。その修理はなぜか終りそうもありません。シャパクリャクばあさんと彼女のネズミは、仕事もせず、ドミノで遊んでいる労働者をせきたてます。そして明日の新学年の始まりに間に合わせます。


ワニのゲーナは教師が不足しているという問題を知り、ゲーナは自然科学の教師に、シャパクリャクは労働に関する教育者になることを宣言します。



※ソビエト・ロシアの学校は小中一貫で10年です。女子生徒の10年生は15-6歳なので大人のサイズです。シャパクリャクに合う制服はあるはずです。シャパクリャクが制服を買う理由は、教育者になろうとしていましたので、当時女子生徒に不人気だった制服を自ら着ることによって、率先垂範の姿勢を示すためでしょう。また暗に「女性教師が率先してその制服を着れば、生徒たちも黙って着てくれるのよ」と言っているようです。


(シャパクリャクと店主との会話)
-こんにちは! 至急、学校の制服が必要なんです。
-こんにちは! 男の子ですか、女の子ですか?
-私は男の子のように見えますか?
-いいえ、でもあなたは「女の子」に、とはいえません。
-誰にですって?
 さあ、早く・・おばあちゃんによ!
 失礼ね!分らず屋!制服を下さい!
(バッグからネズミを出し、店主にけしかける)


昔、私の友人の高校で、旧式の体操着がまだ使われていた頃、みんなが嫌がるその体操着をある年配の女性の先生が、実技の時に率先して着て指導されてたそうです。まーその通りなんでしょうね。前回のスキットに続いて今回もシャパクリャクおばあさんが主役のようです。チャレンジすることもなく、店主の言うままになるゲーナと対照的です。労働者をせきたて新学年の始まりに間に合わせるなど、敵にまわせば恐ろしい人ですね。



1970年代までのソビエト・小中学校の制服です。1980年代にはブラウス/スーツになり、ソ連崩壊後は小中学校の統一された制服は廃止されました。制服復活の動きはあり、いくつかの学校ではユニークな制服が存在します。しかしソビエト時代の女子生徒たちが嫌悪してやまなかった、白いレースの襟と黒か白地のエプロンがついた茶色のワンピース(上記写真)が復活することはないそうです。



後記:学校の工事業者が仕事もせず、ドミノで遊んでおり、そのため始業式が危ぶまれると言うシーンは問題ですね。社会が深刻な状況にあることは分かりますが、当局がよくリリースを許したものですね。この程度は問題の内に入らないのかな。最後の第4編は10分弱と他の編の半分程度しかありません。最後に学校の教師不足の問題に軽く触れていましたが、おそらく当局の干渉でカットされたのでしょうか・・


チェブラーシカとワニのゲーナ、ロマン・カチャーノフ監督による人形アニメシリーズ全4編はこれで終わりです。この作品は、旧ソ連の体制を批判するために描かれたとされています。そのためか、どことなく暗い雰囲気が漂っています。底抜けに明るい「マーシャと熊」とは対照的で、隔世の感がありますね。



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