森ガール森由美子の日記

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斧のおかゆ

マーシャのコーデは、いつもの紫色のサラファンに紫色のプラトークです。庭にはロシアの国花「ロマーシカ(РОМАШКА)」カモミールが咲き乱れています。彼女の人形たちに、ウクライナ(ロシア)民話※1をアレンジしてお話します。


マーシャのおとぎ話(23)斧のおかゆ

Машины сказки - Каша из топора (Серия 23)


かつてある地方で、兵士が休暇で帰省するところでした。彼は腕を振って、長い間歩いていたので、空腹になりました。兵士は周りを見ると、いたるところ、酸っぱい野イチゴやテングタケばかりです。そうこうするうちに、兵士は鶏の脚の小屋※2に行き着きました。すぐにこの軍人は、ここで昼食になるかもしれないと思いました。


もちろん、バーバ・ヤーガ※3は奇怪な妖婆で、食べる前は、いつも相手に餌を与え、水をやり、そして風呂で蒸すのです。兵士が小屋に立ち寄ると、骨足のバーバ・ヤーガは、下心を持って彼を迎えました。さっそく彼女は兵士にペチカに入るように命じました。なぜなら、彼女の小屋には何もなかったので、ご馳走を食べたかったのです。


兵士はペチカに急いで入らず、手足を拡げたりで、どうしてもくぐらせることができません。 彼は老婆のベンチの下の斧に気付き、自分の代わりに斧からお粥を作ることをヤーガに提案しました。老婆は誰が斧からお粥を作るのか不思議に思いました。しかし彼女は同意しました。兵士は鍋を取って、水をいっぱいに注ぎ、そこに斧を入れて火に掛けました。


   


彼自身は傍に立ち、かき混ぜていますが、バーバ・ヤーガは傍をうろうろしています。本当に、斧のお粥が食べたくなったのです。兵士は塩がないか尋ねました。バーバ・ヤーガはすぐに塩入れを取りだしました。そろそろお粥を食べてみる時間でしょうか?しかし兵士は老婆を脇に寄せて、お粥は食べられないだろうと言います。なぜなら斧は小さすぎるからです。物持ちのヤーガには、もっと別の斧はないのでしょうか?骨足の老婆には斧はもうありませんでしたが、そのかわりクローゼットにチェーンソーがありました。ほら、事態は好転しました! いえいえマーシャのおとぎ話ではそのようにはなりません。チェーンソーは良いのですが、それは非常に大きいので、シチュー鍋には収まりません。


ところで老婆には何か穀物がありますか?そう言えば、ヤーガのもとに引き割が見つかりました。兵士はそれを水に入れ、もう少し煮てから、老婆にテーブルの上にバターを集めてくるように言いました。お粥をバターで駄目にしないようにね!



註※1「斧のおかゆ」:ウクライナのウラジミール・コロレンコ著「森はざわめく-ウクライナ・ポレーシエ地方(当時はロシア領)の伝説」(1886年)に掲載されているウクライナ(ロシア)民話。なお原典はウクライナ語ではなく、全てロシア語。彼自身ロシア文学者とされている。ポレーシエ地方は北ウクライナと南ベラルーシの間に位置するスラヴ人の発祥地であり、古代より東スラヴの文化と伝統が保存されてきた地域とされる。チェルノブイリ(チョルノーブィリ:ウクライナ語)原発がある。


註※2鶏の脚の小屋:スラヴ民話に登場する妖婆であるバーバ・ヤーガが棲む小屋。

   


註※3バーバ・ヤーガ:スラヴ民話に登場する妖婆で、ムソルグスキー作曲の組曲『展覧会の絵』の1曲「バーバ・ヤーガの小屋(鶏の足の上に建つ小屋)」で知られる。森に住む妖婆。骨と皮だけにまで痩せこけて、脚に至ってはむき出しの骨だけの老婆の姿をしている。人間を襲う魔女のごとき存在で、森の中の一軒家に住んでいる。その家は鶏の足の上に建った小屋で、庭にも室内にも人間の骸骨が飾られているという。普段は寝そべって暮らしており、移動するときは細長い臼に乗る。バーバ・ヤーガが右手で持った杵で急かすと、この臼は少しだけ浮かび上がり、底の部分だけを引き摺って移動する。左手にはほうきを持っており、移動した跡を消す。(ウィキペディア)



「展覧会の絵」 7/7 鶏の足の上に建つ小屋 バーバヤーガ キエフの大門


後記:兵士とのやりとりの相手として、ここではバーバ・ヤーガが登場していますが、原典は普通の農家のお婆さんです。いくら誇り高い兵士でも、お腹は空きます。かと言って、やたらに農家に物乞いする訳にはいきません。そこで奇想天外なお話を持ち掛けてユーモラスに食事を一緒に頂く訳です。農家は守ってくれる兵士に食事くらい提供するのは当然なのでしょうが、ください、ほらやるよ、ではお互いに気まずいでしょう。この兵士と農夫の愉快なやりとりのお話はよく出て来ます。



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