森ガール森由美子の日記

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ジャックと豆の木

マーシャのコーデは、いつもの紫色のサラファンに紫色のプラトークです。物置の古い赤軍兵士の帽子を拝借し、網を持ち、昆虫採集スタイルです。彼女は害虫から菜園を守りながら、彼女の人形たちに、諸説あるイギリスの童話をリメイク※してお話します。


マーシャのおとぎ話(18)ジャックと豆の木

Машины сказки - Джек и бобовое зёрнышко (Серия 18)


昔々ある村に、貧しい未亡人の母親と一人息子ジャックが住んでいました。ジャックは結婚適齢期になりました。そう、ただ、全ての年頃の娘たちは、彼には見向きもしません:ジャックの着ている服はすべて破れていて、修理が必要な靴を履き、頭には帽子の代わりに訳の分からない何かを被っています。こんなのでは婚礼どころか、通りを歩くのも恥ずかしいです。母親は息子をドレスアップしようと思いました。


彼女はジャックに唯一の牛を与え、それを市場で売るよう命じました。若者は牛を町へ連れて行きます。しかし日中はとても暑く、太陽は焼け付くようでした。道の半ばで、ジャックはたまらなくなり、木の下で昼寝をするために横たわりました。すると、ある老人が若者を起こしました。道すがらの老人は、ジャックに彼の牛を豆の種と交換するよう提案しました。若者はうなじを掻いて、少し考え、そう、同意してしまったのです。


牛を彼に渡し、えんどう豆を受け取って、家に向かいました。家に帰ると、母親はただ驚いて、手を打ち合わせました。彼女は息子が強盗に襲われたと思っていました。しかし彼が唯一の牛を、あるものと交換した事を打ち明け、その種を見せたとき、母親は怒りました。彼女は息子を愚か者と呼び、そのえんどう豆を窓から投げ捨てました。


翌朝、ジャックは目を覚ますと、窓の下で、豆の鞘や蔓がからまった、巨大な木が育っているのを見ました。この不思議な豆の木の頂きは雲の中に消えていて、そこから誰かの声が聞こえてきました。ジャックは上に登ってみることにしました。彼は登りましたが剥がれてしまい、また登ろうとしましたが、やはり、しがみ付くこともできませんでした。


突然、ロープが上から降りてきました。先が蝶結びの、女の子のお下げ髪に似た、奇妙なロープです。ジャックは取り乱すことなく、ロープを引っ張りました。そうすると彼の頭の上に、伸びた豆の木に掛かっていた、筆舌しがたい美女が、降りてきました。彼女は王家の娘で、ジャックにお礼を言いました。やがて彼は王家に迎えられ、母親とともに、幸せに暮らしました。



註※:英語の原題は Jack and the Beanstalk「ジャックと豆の木(主茎)」。ロシア版は Джек и бобовое зернышко「Jack and the Beanseed」「ジャックと豆の種」です。この物語のどこに重点を置くのかで、呼び方が変わるのでしょう。
私の知る限りでは、この物語は、ジャックが大きな豆の木に登って行き、雲の上で巨人との格闘シーンが繰り広げられ、単なる寓話的なおとぎ話を超えた、アクション物語であったように記憶しています。ここでは異なる観点で寓話的にまとめてられています。



後記:牛一頭とえんどう豆を交換する・・普通はしませんね。誰もしない事を敢えてする事が、素晴らしい結果をもたらすものであるというのが、この物語の言わんとする所でしょうか。世の中で偉業を成し遂げた人達は、誰もしない事を敢えてしてきた訳です。


父親不在というジャックのライフスタイルはこの物語のようになるのでしょうね。いくら貧しいといっても身だしなみはひどいですね。この適齢期の息子の身だしなみを心配した母親が大事にしていた全財産の牛一頭を、おそらく彼はインスピレーションでえんどう豆と交換したのでしょう。もし厳格な父親がいたら、もっときちんとしていたでしょうし、牛一頭とえんどう豆を交換するなんて、とても怖くてできなかったでしょう。
ただ言えるのは、ジャックはお金持ちになりたいとか、美人と結婚したいとか、母親を喜ばせたいとかの夢を持ち続けていた事でしょうね。だからこそ牛一頭とえんどう豆の交換の話に、彼のインスピレーションが働いたのでしょう。
しかしその時の母親の落胆ぶりは想像を絶するものがあります。しかしそのようなドラ息子でも無事家に帰ってきた時の母親の喜ぶ様子は印象的ですね。成功する親子には素晴らしいドラマがあるものですね。


悪者のようで、そうでないのが、英語圏のおとぎ話の悪役ですね。ここでの老人は一見、弱者を欺く詐欺師のようですが、結果としてジャックとその母親に、牛一頭以上のものを贈ったわけです。怪盗ルパンは大泥棒であると同時に慈善家でもありました。
昔は英国は自国の海賊を容認したり、海外侵略を進めていたりしていた訳ですから、善玉悪玉とか勧善懲悪とかに縁がないのかもしれませんね。



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